公開日:  2026.10.01    更新日:  2026.10.01

【2026年10月1日から義務化】カスハラ対策、医療・介護・宿泊の経営者・管理者がまずやるべきこととは

医療・介護・宿泊の現場で働く方は、患者さんや利用者、宿泊客との対応ややりとりで物理的な距離が近いことも多いと思います。夜勤やワンオペなど、スタッフが一人で対応する場面も少なくありません。そのため、暴言や長時間の居座りといったカスタマーハラスメント(カスハラ)に該当する場面に遭遇しやすい環境にあります。

 

2026年10月1日から、カスハラ対策が事業主の義務になりました。しかし、「何を、どこまでやればいいのか分からない」と感じている経営者・管理者の方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、義務化のポイントと事業主がやるべき対策を整理します。あわせて、現場ですぐに始められる具体策として、AI搭載インカムの活用方法をご紹介します。

カスハラ対策義務化で何が変わる?

2025年6月に労働施策総合推進法が改正されました。これにより、2026年10月1日から、すべての事業主にカスハラを防ぐための措置が義務付けられています。医療機関、介護施設、宿泊施設も例外ではありません。事業主が取り組むべき内容は、厚生労働省の指針(令和8年厚生労働省告示第51号)で具体的に示されています。

カスハラの定義

法律では、次の3つをすべて満たすものがカスハラとされています。

・顧客や利用者など、事業に関係する人による職場での言動であること
・社会通念上、許容される範囲を超えた言動であること
・その言動によって、働く人の就業環境が害されること

たとえば、暴言や侮辱、土下座の強要、契約を超えるサービスの要求、長時間の居座りや拘束などが該当します。

対策をしないとどうなる?

事業主が必要な対策をとらない場合、行政から助言・指導・勧告を受ける可能性があります。

また、スタッフを守る対策が不十分だった場合、安全配慮義務違反を問われることもあります。実際に、保育園の保育士が保護者との一連のトラブルで強い心理的負担を受けた事例では、運営法人の対応が十分でなかったとして、安全配慮義務違反が認められました(長崎地裁 令和3年1月19日判決)。カスハラ対策は、スタッフを守ると同時に、組織を守るための取り組みでもあります。

参考
・厚生労働省「カスタマーハラスメント防止指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)
・厚生労働省 リーフレット(簡易版)「2026年(令和8年)10月1日より、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」
・厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)」

医療・介護・宿泊現場で起きやすいカスハラ

カスハラは次のような場面でよく見られます。

・医療:待ち時間への強い不満、家族からの長時間にわたる詰め寄り
・介護:利用者や家族からの暴言、訪問先など密室での身体への接触
・宿泊:過度なサービス要求、フロントでの長時間の居座り

宿泊業では、旅館業法の改正(2023年12月施行)により、過度な負担となる要求を繰り返す客の宿泊を断れるようになりました。

認知症や障害による言動との切り分けも大切

医療や介護の現場では、認知症の症状や障害特性によって、強い言動が出ることもあります。こうしたケースを一律にカスハラとして扱うのではなく、症状や特性への理解をもとに対応することが大切です。国も、事業主が消費者の心理や障害特性、認知症について理解を深めることを求めています。

参考
・厚生労働省「令和5年12月13日から旅館業法が変わりました」
・厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」

事業主がやるべき4つの対策

厚生労働省の指針では、事業主が取り組むべき内容が大きく4つに整理されています。

1.方針を決めて周知する:カスハラには組織として毅然と対応し、スタッフを守ることを明確にし、全員に伝える。
2.相談できる体制を整える:相談窓口を決め、スタッフが安心して相談できるようにする。
3.発生時にすぐ対応する:事実を確認し、被害を受けたスタッフのケアや、相手への対応を行う。
4.再発を防ぐ:起きた事例を振り返り、マニュアルや体制を見直す。

あわせて、相談した人のプライバシーを守ること、相談を理由に不当な扱いをしないことも求められています。

参考
・厚生労働省「カスタマーハラスメント防止指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)
・厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)」

トラブル発生時は「緊急コール」を活用し、一人にしない

マニュアルを整えても、実際にトラブルが起きた瞬間に「その場を離れられない」「誰かを呼びに行けない」ということは少なくありません。

そこで役立つのが、AI搭載インカム「VOYT CONNECT(ボイットコネクト)」の緊急コールです。

AI搭載インカム「VOYT CONNECT」とは

VOYT CONNECT(ボイットコネクト)は、スマートフォンをインカム・トランシーバーのように使えるアプリケーションです。スマホにアプリをインストールし、イヤホンマイクをつければ、ボタン一つでチームのメンバーとリアルタイムにつながり会話ができます。専用の無線機や中継器を用意する必要はありません。

話した内容は音声とあわせてAIが自動で文字起こしして保存するので、あとから簡単に振り返ることもできます。iPhone・Androidのほか、タブレットやパソコンのブラウザからも会話に参加することが可能です。

VOYT CONNECTの機能やメニュー詳細は、サービス資料(無料)でご覧いただけます。
>>資料請求はこちら

 

このVOYT CONNECTでカスハラ対策として使えるのが、緊急コール機能です。

<VOYT CONNECT 緊急コールの特長>

・ボタン一つで応援を呼べる
トラブルが起きたら、イヤホンマイクのボタン操作だけで、あらかじめ決めたグループや本部に緊急連絡を送信できます。

・離れた場所から状況を把握し、指示できる
発信中の音声とテキストはリアルタイムにグループに共有されます。管理者は現場にいなくても状況をつかみ、駆けつけや対応の指示ができます。

・スタッフが落ち着いて対応できる
「すぐに助けを呼べる」という安心感は、スタッフの心理的な負担を減らすことにもつながります。

 

たとえば、病院の待合時に患者さんの家族が声を荒らげたとき、介護施設の居室で利用者から強く詰め寄られたとき、夜間のフロントで宿泊客が居座ったときも、その場からすぐに応援を呼ぶことができます。

なお、ツールを入れるだけで義務化への対応が完了するわけではありません。方針や相談体制、対応マニュアルとあわせて使うことで、「一人で対応させない」体制を、実際に機能するものにできます。

※緊急コールはVOYT CONNECTの有償オプションです。

平時も現場で簡単に使えるAI搭載インカムという選択

AI搭載インカムは、カスハラ対策のためだけのツールではありません。普段の業務連絡・コミュニケーションツールとしてもそのまま使えるため、特別な場面でしか使わない機器を別に用意する必要がありません。

会話データを分析に活用できる

VOYT CONNECTでは、会話データを一括でダウンロードできます。日々どのようなやり取りが行われているかをデータとして見える化・分析できるため、カスハラが起きやすい時間帯や場面の把握、マニュアルや人員配置の見直しにも役立ちます。これは、義務化で求められている「再発防止」の取り組みにもつながります。

従来のトランシーバー(簡易無線機)との違い

AI搭載インカム 従来型のトランシーバー
通話できる距離 制限なし 制限あり
混線 起きない 起きることがある
文字起こし・翻訳 あり なし
記録用の要約・整理 あり なし

介護や宿泊の現場では、外国人スタッフを多く抱えている事業主もいらっしゃると思います。AI搭載インカムであれば、AIによる文字起こしや翻訳が容易にできるため、外国人スタッフとの連携にも役立ちます。また、記録用に会話を自動で整理・要約する機能があれば、報告書づくりなどの負担も減らせます。

まとめ

2026年10月1日から、カスハラ対策は事業主の義務になりました。すべてを一度に完璧にする必要はありません。まずは次の3つから始めてみてください。

・カスハラには組織として対応し、スタッフを守る方針を示す
・相談窓口を決め、スタッフに周知する
・トラブル時にスタッフを一人にしない体制をつくる

AI搭載インカム「VOYT CONNECT」は、緊急時にはすぐに応援を呼べる手段として、平時には業務連絡・コミュニケーションツールとして、現場を支えます。緊急コールの使い方や、自施設に合った導入方法について、ぜひお気軽にご相談ください。

>>お問い合わせはこちら