スタッフ間のリアルタイムなコミュニケーションで業務効率化を実現

富士いきいき病院様

  • 100名以上
  • 医療
  • 業務効率化

概要

197床を有する富士いきいき病院において、スタッフ間のコミュニケーション不足や情報共有の課題を解決するため、スマートフォンを活用した当社インカムアプリ「フィールドボイスインカム」を導入。全スタッフがリアルタイムで情報共有できる環境を整備し、業務効率の向上と質の高いケアの実現につながった事例を紹介します。

Before

施設内での職員間連絡は固定電話とPHSに依存し、スタッフの所在確認や緊急時の連絡に時間を要していた。情報共有の確実性も低く、伝え忘れやミスが発生。入浴介助などの緊急時対応では2名体制が必須だった。

After

インカムアプリの導入により、全スタッフとのリアルタイムな情報共有が可能に。緊急時の迅速な対応や、会話内容の自動テキスト化による正確な記録保存で、業務効率と安全性が向上。

地域医療の要として

富士山を望む静岡県富士市に位置する富士いきいき病院は、地域医療とリハビリテーションを2本の柱に掲げる医療法人社団紫苑会が運営する地域医療の中核病院です。「地域の皆さまが生活する場所で包括的な医療・ケアを受けられる環境づくり」という理念のもと、予防医療から急性期、慢性期における診療まで、切れ目のない継続的な医療サービスを提供しています。

特に入院診療では、144床の回復期リハビリテーション病棟と53床の地域包括ケア病棟を備え、地域に密着した医療を実践。健康サポートセンターでの健診事業に加え、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリテーション、居宅介護支援事業所など、多岐にわたる介護サービスも提供し、地域住民の多様なニーズに応える総合的な医療・介護の拠点として、重要な役割を担っています。

このように広範な医療サービスを提供する中で、「各スタッフがどこで何をしているのかを把握できない状況で、大きな声を出して呼んだり、探して歩く時間が増えたりして時間もかかっていました」という声が示すように、広大な施設内での円滑なコミュニケーションが課題となっていました。

ボイット導入のきっかけ

介護・医療機器の展示会でフィールドボイスインカムと出会い、その可能性に着目した同院。「上司からこういうものがあるよという話を受けて、試してみようということになりました」と振り返る理学療法士の吉岡さんは、「すごく便利だなと率直に思いました」と当時の印象を語ります。特に回復期リハビリテーション病棟では、患者の状態が日々変化する中で、スタッフ間の迅速な情報共有が欠かせません。約1ヶ月のトライアル期間を経て、現在では10台以上を導入し、日常業務に欠かせないツールとして定着しています。

コミュニケーション課題の解決

導入前の院内コミュニケーションについて、理学療法士の藤田さんはこう説明します。「PHSも一部あるんですけれども、数が限られているので全員が持てない状況でした。我々現場の職員は比較的PHSを持っていないので、そういった面で時間のロスが発生していました。」

職員間の連絡体制にも改善の余地がありました。「職員を探すのにフロアや廊下をふらふら探す時間があって、1日で5分とか10分とかの時間を無駄にしていました。1年で考えると相当な時間になりますね」という声が示すように、より効率的なコミュニケーション手段の導入が求められていました。

緊急時対応の改善

介護師の杉山さんは、導入前の課題をこう振り返ります。「以前は入浴介助中に患者さんの体調が悪化した場合、その場を離れることができないため、必ず2名体制で対応していました。1名が患者さんに付き添い、もう1名が応援に備えて待機する必要があったんです。」

フィールドボイスインカム導入後は「その場で看護師さんを呼ぶことができるので、スタッフ同士の情報共有がスムーズになりました」と、1名での対応が可能になり、人員配置の効率化にもつながっています。

情報共有の質的向上

「僕のお気に入りは、フィールドボイスインカムをつけている職員全員に同じ時間、同じ言葉で情報が流れるところです」と、藤田さんは評価します。これにより、情報の言い忘れや聞き間違いが大幅に減少。「仕事の効率も上がり、仕事のミスがとても減った」という効果が表れています。

さらに、会話内容が自動的にテキスト化される機能も高く評価されています。「緊急時の対応をどのようにしたのか、誰がどこでどういう風に対応したのかなど、後で報告書を書く時に確認できるのはとても助かります」と、記録業務の効率化にも貢献しています。

また、吉岡さんからは「誰がどこにいるか把握できるようになり、一番近くにいる適切な方に指示が出せるようになった」と、人員配置の最適化も実現しています。

送迎業務での活用

送迎業務での改善効果も目覚ましいものがありました。「以前は急なお休みの連絡や対応について、車についている無線や自分の携帯電話に連絡が入ってきましたが、フィールドボイスインカムを利用することで、リアルタイムに耳に入ってくるようになりました」と藤田さんは説明します。

具体的なケースとして、「ある日、急遽ご利用者様がお休みになられた時に、フィールドボイスインカムから連絡が入り、他の利用者様のお宅にすぐ駆けつけることができました。利用者様にもご迷惑をおかけすることなく対応できた」というエピソードは、現場の生産性向上に寄与した事例となっております。

まとめ

フィールドボイスインカム導入により、職員間のコミュニケーションが大きく改善されました。職員の所在確認時間の短縮や緊急時の迅速な対応、情報共有の正確性向上など、業務効率化の効果が着実に表れています。特にリハビリテーション業務では、スタッフ間の円滑な連携により、より効率的な治療提供が実現し、患者サービスの向上につながっています。

回復期リハビリテーション病院として質の高い医療サービスを提供する同院において、フィールドボイスインカムは「一度使ったら手放すことができないインフラ的なサービス」として定着。コミュニケーションの改善を通じて、スタッフの働き方改革と患者サービスの向上を同時に実現した成功事例となっています。

<施設概要>

名称:医療法人社団紫苑会 富士いきいき病院
代表者:院長 田中 博
所在地:静岡県富士市天間1640−1
内科,呼吸器科,消化器科,循環器科,整形外科,脳神経外科,リハビリテーション科
URL:https://www.iki-iki-hp.com/