2024.12.05

ナースコールのスマホ連動で実現する、医療・介護現場の業務効率化

医療・介護の現場で日々奮闘されている皆様にとって、ナースコールへの対応は避けては通れない重要な業務の一つです。しかし、従来型のPHSを使用したナースコール対応には、さまざまな課題が存在していることをご存知でしょうか。本コラムでは、ナースコールとスマホの連動がもたらす新しい可能性について、現場の具体的な課題から解決策まで、詳しく解説していきます。

医療・介護現場が抱える従来のナースコール運用の課題

医療・介護施設では、入居者様やご利用者様からのナースコールを受けた際、従来はPHSを介して情報を受け取り、対応を行うのが一般的でした。この方法は長年にわたって使用されてきましたが、現代の医療・介護現場が直面する様々な課題に対して、十分な解決策とはなっていません。

まず最も大きな課題は、対応状況の把握が困難という点です。たとえば、夜間帯にナースコールが鳴った際、複数の職員が同時に対応しようとして混乱が生じるケースが少なくありません。誰が対応するのかが明確でないため、必要以上の人員が動いてしまい、他の業務に支障をきたすことがあります。また、緊急性の高いケースでは、最も近くにいる職員が対応できないというケースも発生しています。

次に、情報伝達の正確性の問題があります。PHSでは音声のみの伝達となるため、騒がしい環境での聞き間違いや、緊急時の焦りによる伝達ミスのリスクが存在します。特に夜間帯や緊急時など、素早い判断と対応が必要な場面では、こうしたコミュニケーションの不確実性が大きな課題となっています。

さらに、記録と振り返りの難しさも見過ごせない問題です。PHSでのやり取りは記録として残らないため、後から対応の適切性を検証したり、業務改善のヒントを見出したりすることが困難です。また、申し送りの際にも、正確な情報伝達に時間がかかってしまいます。

このような状況は、職員の心理的負担にもつながっています。「自分の対応が適切だったのか」「重要な情報を見落としていないか」という不安を抱えながら業務を行わざるを得ない状況は、職員のストレスを増大させ、結果として離職率の上昇にもつながりかねません。

なぜいま、ナースコールのスマホ連動が必要なのか

深刻な人手不足に直面している医療・介護現場において、業務の効率化は喫緊の課題となっています。厚生労働省の調査によれば、2040年には約57万人の介護人材が不足すると予測されており、この状況は年々深刻化しています。

参照:第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

特に、2024年度の医療・介護報酬改定においても、ICTの活用による業務効率化の推進が重要テーマとして挙げられています。これは、単なる技術革新の要請ではなく、持続可能な医療・介護サービスの提供体制を構築するための必須要件として位置づけられています。

従来のPHSによる運用では、誰が対応したのかの記録が残らず、後からの振り返りや業務改善にも支障をきたしています。また、施設の規模が大きくなればなるほど、フロア間の連携や情報共有の重要性は増していきます。複数のフロアを持つ施設では、フロア間の移動時間も考慮に入れた効率的な人員配置が求められます。

また、医療・介護現場におけるコミュニケーションの質の向上も重要な課題です。入居者様の状態変化や緊急時の対応など、正確かつ迅速な情報共有が必要な場面は数多くあります。これらの情報を、いかに確実に、かつ効率的に共有できるかが、サービスの質に直結します。

ナースコールへの迅速な対応は、入居者様の安心感につながる重要な要素です。一方で、職員の無駄な動きを減らし、効率的な業務遂行を実現することも必要不可欠です。この両立を図るためには、テクノロジーの活用が不可欠となっています。

スマホ連動による具体的なメリット

ナースコールをスマホと連動させることで、様々な業務改善が可能となります。その効果は、大きく分けて三つの側面から考えることができます。

第一に、職員間の協力体制が格段に強化されます。誰がどのナースコールに対応しているのかが即座に把握でき、適切な人員配置と対応が可能となります。例えば、ある職員が別の業務で手が離せない場合、システム上でその状況を共有することで、他の職員が速やかにフォローに入ることができます。また、フロア間の連携も格段に向上します。従来のPHSでは電波が届かないような場所でも、Wi-Fi環境があれば通信が可能です。これにより、異なるフロアの職員同士でもスムーズな情報共有が可能となり、緊急時の応援体制もより効果的に構築できます。

第二に、情報共有の質が大幅に向上します。音声とテキストの両方で情報が共有されることで、聞き間違いや伝達ミスのリスクが大幅に低減されます。特に夜間帯などの少人数体制時には、この効果が顕著に表れます。また、テキストでの記録が自動的に残るため、申し送りの際にも正確な情報伝達が可能です。さらに、過去の対応履歴を簡単に参照できることで、入居者様一人一人の特性や要望に応じた、よりきめ細かな対応が可能となります。例えば、「この方は以前このような状況でこのように対応したら効果があった」といった経験知を、チーム全体で共有し活用することができます。

第三に、職員の動線が最適化され、身体的・精神的負担が軽減されます。例えば、あるフロアで複数のナースコールが同時に鳴った場合、近くにいる職員が対応可能か即座に確認でき、効率的な対応が可能となります。これにより、不必要な移動が減少し、職員の疲労軽減にもつながります。

フィールドボイスインカムが実現する新しいナースコール連携

当社のインカムアプリ「フィールドボイスインカム」は、こうした医療・介護現場の課題に対して、革新的なソリューションを提供します。特筆すべきは、既存のナースコールシステムとの柔軟な連携が可能な点です。

現在、住友電設のナースコール連携システム「SD Phone」との連携により、ナースコールの通知をフィールドボイスインカム内で直接受け取ることが可能となっています。これは単なる通知の統合ではなく、職員間のコミュニケーションツールとしての機能も備えています。通話やメッセージのやり取り、そしてナースコールへの対応まで、すべてを1つのデバイスで完結できる環境を実現しています。

まとめ

医療・介護現場のDX推進において、既存システムの活用は重要な鍵となります。フィールドボイスインカムは、ナースコール連携を通じて、スタッフの負担軽減と入居者様の満足度向上を同時に実現します。

現場のニーズは施設によって異なりますが、フィールドボイスインカムは、それぞれの現場に合わせたカスタマイズが可能です。段階的なDX推進を支援し、スムーズなシステム移行をサポートいたします。

貴施設でも、ナースコールとの連携による業務改善をご検討されませんか?まずは無料相談やトライアイル利用を通じて、具体的な連携方法についてご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。貴施設に最適なナースコール連携の形を、ともに考えていきましょう。

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