2024.10.22

インカムとは?言葉の意味から仕組み、利用シーンなど詳しくご紹介

近年、ビジネス現場におけるコミュニケーションツールとして、インカムの重要性が高まっています。特に、スマートフォンを活用したインカムアプリの登場により、その利便性と効率性が飛躍的に向上しました。

 

本コラムでは、インカムとは何か、その仕組みから最新のスマートフォン用インカムアプリについてまで、幅広く解説していきます。インカムがどのように現代のビジネスシーンを変革し、生産性を向上させているかを探っていきましょう。

インカムとは

インカムは、ビジネスシーンやイベント、店舗のスタッフ同士がリアルタイムでコミュニケーションを取るためなどに使用する無線通話機器です。通常、写真のような、ヘッドセット(マイク付きイヤホン)と送信機を組み合わせて使用することが多いです。

従来のインカムは、Wi-Fiやモバイルネットワークのようなインターネット通信を介さず、専用の無線通信を利用して、特定のエリア内で迅速にコミュニケーションを取るために使われていました。

インカムの意味と由来

「インカム」という言葉は、日本語では主に「無線通話機器」を指す際に使われますが、英語での「income(インカム)」は「収入」や「所得」を意味します。日本では、「インカム」が「インターカム(intercom)」の略称として、ビジネスやイベント、店舗などで使われる無線通話機器を指すことが一般的です。このため、「インカム」という言葉には2つの異なる意味があり、特に英語圏で使用される際には文脈に応じて「無線機」なのか「収入」なのかを区別する必要があります。

「インカム (income)」: 英語では「収入」や「所得」を意味し、個人や企業の財務状況を示す要素として使用されます。
「インカム(インターカムの略)」: 無線通話機器を指す言葉で、特にビジネスやイベント、店舗などで使われる「ヘッドセット付き無線機」の意味で使われます。

「インターカム(intercom)」について補足すると、これはさらに「インターコミュニケーション(intercommunication)」の略で、もともとは建物内や施設内での短距離音声通信システムを指します。その歴史は1930年代に遡り、当初は有線システムとして開発されました。1940年代に入り、第二次世界大戦中の軍事技術の進歩により、携帯型の無線インカムが実用化されました。

インカムの仕組み

インカムは無線通信を利用する音声通信機器で、業務用に広く使われています。

インカムの仕組みは、基本的に無線周波数を使って行う通信であり、装着されたヘッドセットを通して、複数人間で同時に音声の送受信が可能です。また、インカムには無線方式以外に、インターネット(IP無線)を活用した通信もあります。このタイプでは、インターネットを介して通信するため、距離の制約が少なく、障害物の影響も受けにくくなっています。このため、広範囲での通信が必要な場合にも対応可能です。

インカムの利用はシンプルで、一度設定が完了すれば、ハンズフリーで持続的に通話ができ、作業効率が向上します。また、携帯電話と異なり、通信回線の混雑や電波状況に影響されることが少ないため、安定した通信が求められる場面においても効果的です。

さらに、プッシュトゥートーク(Push To Talk)と呼ばれる、ボタンを押すだけで瞬時に音声を共有できる技術を採用しているため、迅速なコミュニケーションが可能です。この技術のおかげで、複数のスタッフが同時に情報を共有/確認することができ、業務の円滑化が図られます。

例えば、医療現場では、看護師が患者のバイタルサインや症状の変化を即座に他のスタッフに伝えることができます。これにより、迅速な医療対応が可能となり、患者の安全性が確保されます。また、介護施設では、スタッフが利用者の状況をリアルタイムで共有し、必要に応じてすぐに連携を取ることができるため、質の高いケアが提供されます。

インカムと電話、トランシーバーの違い

インカムと電話は一見似ているように思えますが、その目的と仕組みには大きな違いがあります。

電話は主に1対1でのコミュニケーションを目的として使われますが、インカムは複数の利用者がグループ内で迅速に連絡を取り合うための手段です。インカムではハンズフリーで通信でき、複数の利用者が同時に情報を共有することが可能で、医療、介護、宿泊施設など、連携が求められる現場で特に有効です​。

また、トランシーバーも無線通信機器であり、インカムと似た用途で使われますが、いくつかの重要な違いがあります。

トランシーバーは通常、1対1または1対多での通信に特化し、使用する際には手に持ってボタンを押して話す必要があります。一方、インカムはヘッドセットを使い、両手を自由に使いながら同時に複数の人と通信が可能です​。

さらに、トランシーバーは無線周波数を使った通信であるため、通信距離や障害物による制限を受けることがありますが、インカムはインターネットを活用した通信も可能です。これにより、遠隔地との連絡や障害物が多い環境でも安定した通信ができる点で、特に効率的なグループコミュニケーションに適しています​。

インカムの業務現場での利用シーン

インカムは多様な現場で活用されています。例えば、医療現場では看護師が患者の状態をリアルタイムで共有し、緊急時には迅速に対応することが求められます。インカムの使用によって、医師や他のスタッフとのスムーズな情報共有が可能となり、患者の安全性とケアの質が向上します。

>>詳しい導入事例はこちら

介護施設では、スタッフ間の連携を強化し、利用者に迅速かつ適切に対応するためにインカムが利用されています。特に、複数の利用者に同時にケアを行う際、インカムによる情報共有は非常に有効で、サービスの質の向上に寄与します。スタッフ間のリアルタイムな情報共有は、利用者に対する迅速かつ適切な対応を可能にし、利用者の満足度を向上させます。

>>詳しい導入事例はこちら

宿泊施設においても、フロントスタッフと清掃スタッフ間の迅速な情報共有が重要です。インカムを利用することで、チェックインやチェックアウトに伴う業務のスピードと正確さが向上し、ゲストの満足度を高めることができます。特に、予期せぬリクエストへの対応や、清掃状況の把握などにおいて、インカムの有用性は顕著です。

>>詳しい導入事例はこちら

工事現場では、安全性を確保しながら作業を進めるために、作業員同士の連絡が欠かせません。特に大規模な現場や騒音の多い環境では、インカムによる情報共有が安全対策の徹底に役立ちます。リアルタイムでの連絡は、危険の早期発見と対応を可能にし、作業効率と安全性の両立を実現します。

飲食店では、キッチンとホールスタッフ間での迅速なコミュニケーションが必要です。インカムを活用することで、料理の提供タイミングや顧客リクエストに迅速に対応でき、店舗全体の運営が効率化されます。これにより、顧客体験が向上し、店舗の回転率も向上します。

このように、インカムは現場の効率性と安全性を高め、スタッフ間のスムーズな連携を実現します。また、各現場のニーズに合わせて柔軟に対応することで、より効果的なコミュニケーションツールとしての役割を果たしています。

スマホをインカムとして利用できる

お手持ちのスマートフォンにインカムアプリをインストールすることで、従来のインカムと同様に、さらにはそれ以上の性能を持つコミュニケーションツールとしてインカム機能を利用できます。Bluetoothでイヤフォンマイクをペアリングすることで、手軽にインカムのように使うことが可能です。

自社のスマホインカムアプリ「フィールドボイスインカム」も、現場の効率性とコミュニケーションをさらに向上させることができ、従来の無線機から変わるものとして導入が進んでいます。

スマホアプリならではの特徴として、AIによる文字起こし機能があります。音声をリアルタイムで自動的にテキスト化し、アプリ上で確認することができるため、記録を残す必要がある場面や、後で内容を振り返る際に非常に役立ちます。

これにより、コミュニケーション内容を共有するだけでなく、確実に記録として残すことができるため、業務の透明性と効率性が向上します。

通常のコミュニケーションアプリのような使い心地で、プッシュトゥートークで連携も即座に可能、イニシャルコストも抑えて利用を開始することができるため、医療、介護、宿泊施設などで導入が進んでおります。

まとめ

本コラムでは、インカムの基本的な仕組み、電話やトランシーバーとの違い、具体的な利用シーン、そしてスマホインカムアプリの活用について詳しく紹介しました。インカムは、医療、介護、宿泊施設、飲食店、工事現場など、多くの現場において迅速で効率的なコミュニケーション手段として重要な役割を果たしています。

特に、自社のスマホインカムアプリ「フィールドボイスインカム」は、現場の課題を解決し、スタッフ間の連携を強化することで業務の質を向上させる強力なツールです。スマートフォンとの連携により柔軟な運用が可能であり、今後さらに多くの現場で導入が進み、コミュニケーションの改善に貢献することが期待されています。

弊社では、スマートフォンの導入から一括してサポートを提供しておりますので、ぜひ導入をご検討いただければ幸いです。

>>「フィールドボイスインカム」の詳細はこちら

>>資料請求はこちら