2025.01.09
免許不要で使える無線機とは?医療・介護施設におすすめの選び方ガイド
医療・介護施設において、スタッフ間の迅速な情報共有は業務効率化の重要な鍵となります。しかし、無線機を導入する際、免許の問題や選び方に悩まれる方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、免許不要で使える無線機の基礎知識から、医療・介護施設に最適な選び方までをご紹介します。
無線機の基礎知識:なぜ免許が必要なのか
電波法では、原則として無線機の使用に免許が必要と定められています。これは、電波が救急車や消防車の緊急通信、航空管制、放送、携帯電話など、私たちの生活や安全に関わる重要な通信に使用されているためです。適切な管理がないと混信や妨害が発生し、重大な事故や問題につながる可能性があることから、電波の公平かつ能率的な利用を確保することを目的として免許制度が設けられています。
業務用無線機を導入する場合、通常は無線従事者資格の取得、無線局免許の申請、定期的な点検と報告、5年ごとの免許更新手続きなどが必要となります。これは医療・介護施設にとって大きな負担となります。特に、スタッフの入れ替わりが多い医療・介護現場では、資格管理や新入職員の教育に時間とコストがかかり、24時間体制での資格者配置の調整も必要となります。
しかし、電波法では一定の条件を満たす無線機については、免許不要で使用できる例外規定を設けています。例えば、電波の出力が極めて小さく他の通信への影響が限定的である場合や、技術基準適合証明を受けた特定用途の機器については、免許不要で使用することができます。これにより、導入時の手続きが簡素化され、スタッフ全員が資格なしで使用できるようになります。
ただし、免許不要の無線機にも通信距離や用途の制限があります。医療・介護施設では、これらの特徴を理解した上で、施設の規模や用途に合わせて適切な機種を選択することが重要です。次のセクションでは、具体的にどのような無線機が免許不要で使用できるのか、その条件と種類について詳しく解説していきます。
免許不要で使える無線機の条件と種類
医療・介護施設で利用できる免許不要の無線機は、主に「特定小電力トランシーバー」と「IP無線機」の2種類があります。これらは異なる特徴を持ち、それぞれの利用シーンに応じた選択が可能です。
まず、特定小電力トランシーバーは、電波の出力が10mW以下と非常に小さい無線機です。この低出力という特徴により、他の通信への影響が最小限に抑えられ、免許不要で使用することができます。通信可能距離は見通しの良い場所で数百メートル程度となり、主に施設内での近距離通信に適しています。シンプルな操作性と比較的安価な価格帯が特徴で、導入のハードルが低いという利点があります。
一方、IP無線機は、携帯電話回線やWi-Fiなどのインターネット回線を利用して通信を行う新しいタイプの無線機です。携帯電話の電波が届く範囲であれば、距離の制限なく通信が可能です。そのため、複数階にまたがる大規模施設や、別館との連絡、さらには訪問介護スタッフとの連絡にも活用できます。
最近では、スマートフォンをベースとしたIP無線機も登場しています。これらは通常のスマートフォンのような操作感で使用でき、音声通話とテキストメッセージを組み合わせたコミュニケーションが可能です。通話内容を音声とテキストで保存できる機能や、ナースコールシステムとの連携機能を備えた製品もあり、医療・介護現場の業務効率化に貢献しています。
医療・介護施設での無線機の活用例と注意点
医療・介護施設での活用例を見ると、特定小電力トランシーバーは、導入コストが低く操作も簡単なため、小規模施設や同一フロア内での利用に適しています。ただし、通信距離に制限があり、建物の構造によっては電波が届きにくい場所が発生する可能性があります。
一方、IP無線機は携帯電話回線を利用するため、遠隔地や建物の階層を越えた通信が可能で、複数階にまたがる大規模施設や複数施設間での連絡に適しています。特にナースコールとの連携が可能な機種では、誰が対応に向かうのかがリアルタイムで共有できるため、業務の効率化につながっています。
導入を検討する際の注意点として、特定小電力トランシーバーは建物の構造や設備によって電波が届きにくい場所が発生する可能性があります。また、複数の施設が近接している場合、同じチャンネルを使用していると混信の可能性もあります。IP無線機については、通信料が都度発生するためランニングコストを考慮する必要があります。また、施設内のWi-Fi環境や携帯電話の電波状況によっては、安定した通信が難しい場所が発生する可能性もあります。
このように、免許不要の無線機には様々な種類と特徴があります。施設の規模や用途、予算に応じて最適な機種を選択することで、スタッフ間のコミュニケーション改善と業務効率化を実現することができます。次のセクションでは、これらの無線機の中でも特に注目されているスマートフォン型インカムについて、より詳しく解説していきます。
スマートフォン型インカムで実現する新しい施設運営
医療・介護現場のコミュニケーション手段として、近年特に注目を集めているのがスマートフォン型のインカムアプリです。従来の無線機やPHSと比べ、より柔軟で高度なコミュニケーションを実現できる点が特徴です。当社のスマホアプリ型インカム「フィールドボイスインカム」の特長を詳しく紹介してます。
最大の特徴は、音声とテキストを状況に応じて使い分けられる点です。発話した内容は自動的にテキストに変換されるため、例えば介助中で聞き逃してしまった場合でも後から簡単に発話内容を振り返れるため、確実に情報が伝わります。また、患者様を前にして声で指示を出せない状況でも、テキスト入力するだけで必要な情報を共有できます。
通信範囲の面でも大きな利点があります。インターネットにつながる環境があれば、遠隔地や別フロアでも問題なく会話に参加できます。従来のアナログ無線機では届かない距離や高さであっても、スマートフォンだけでなく、パソコンやタブレットからも会話に参加できるため、施設全体でのコミュニケーションが可能となります。
さらに、外部システムとの連携機能も見逃せない特徴です。例えば、ナースコールとの連携により、これまでの課題であった対応状況の把握が容易になります。従来のPHSでは、誰がナースコールに対応するのかが不明確で、複数のスタッフが同じ部屋に向かうなど、無駄な動きが発生していました。しかし、インカムアプリと連携することで、誰が対応するのかがリアルタイムで共有され、効率的な業務分担が可能となります。
このようなスマートフォン型インカムの有用性は、実際の導入実績からも明らかです。すでに500施設以上での導入実績があり、特筆すべきは解約率が1%以下という点です。これは、一度導入すると手放せないほど、現場に不可欠なインフラとして機能していることを示しています。
まとめ:医療・介護施設に最適な無線機の選び方
施設の規模や用途に応じて、特定小電力トランシーバー、IP無線機、スマートフォン型インカムなど、それぞれの特徴を活かした選択が可能です。導入時には、通信範囲、運用コスト、操作性、既存システムとの連携性などを総合的に検討することをおすすめします。
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