2024.10.23

インカムは費用対効果が低い? 介護施設の導入メリットを見落としていませんか?

近年、介護施設において効率的なコミュニケーション手段の確保が大きな課題となっています。従来のPHSやトランシーバーでは十分に対応できない状況が増える中、インカムの導入を検討する施設が増えています。しかし、「本当に費用対効果はあるのか」「現場に定着するのか」といった不安の声も少なくありません。本コラムでは、介護施設へのインカム導入における具体的なメリットやデメリット、さらには活用可能な補助金についても詳しく解説していきます。

介護施設におけるインカム導入の現状と課題

介護現場では、入居者の安全確保と質の高いケアの提供が最優先事項です。しかし、従来のPHSやトランシーバーによるコミュニケーション方法では、いくつかの重要な課題が存在します。例えば、PHSの場合、一対一の通話に限定されるため、緊急時の一斉連絡が難しく、また、端末の取り違えや持ち歩き忘れといった問題も頻繁に発生します。

さらに、施設の構造上、電波が届きにくい場所が存在したり、複数フロアをまたぐ連絡に支障が出たりするケースも少なくありません。このような状況下で、スタッフ間の円滑なコミュニケーションを実現し、迅速な対応が求められる介護現場において、より効果的なツールの導入が求められています。

介護施設におけるインカム導入のメリット

インカム導入のメリットは多岐にわたります。まず、業務効率の向上です。職員が移動せずにコミュニケーションを取れるため、無駄な時間を削減できます。これにより、ケアに充てる時間が増え、利用者へのサービス品質が向上します。

次に、緊急時の迅速な対応が挙げられます。緊急事態が発生した場合でも、インカムを通じて瞬時に全職員に情報を共有できます。これにより、全員が同じ情報を持ち、一丸となって対応することが可能です。

また、情報共有によるミスの防止も重要なメリットです。口頭での伝達や紙ベースの連絡では、情報が正確に伝わらないリスクがありますが、インカムを使用することでそのリスクを軽減できます。リアルタイムでの情報共有により、ヒューマンエラーの減少が期待できます。

最後に、これらの効果により、利用者の満足度向上が期待できます。迅速で的確な対応は、利用者やそのご家族からの信頼獲得につながり、施設全体の評価向上にも寄与します。

介護施設におけるインカム導入のデメリット

インカム導入に際して懸念されるのが、初期投資のコストです。確かに、従来の通信機器と比較すると導入費用は決して安くありません。しかし、これは純粋なコストとしてではなく、業務効率化による人件費削減や、サービス品質向上による経営改善の観点から評価する必要があります。

また、新しいシステムの導入に対する職員の抵抗感も無視できない問題です。特に、デジタル機器の操作に不慣れな職員にとっては、大きな不安要素となり得ます。この課題に対しては、段階的な導入やきめ細かな研修プログラムの実施が効果的です。実際に、多くの施設では、まずは一部のフロアや時間帯から試験的に導入し、効果を確認しながら範囲を広げていく方法を採用しています。

補助金の利用による導入コスト軽減の方法

デメリットとして挙げた初期費用に関しては、各種補助金制度を活用することでコストを大幅に軽減できる可能性があります。具体的には以下のような支援制度が利用可能です:

介護ロボット・ICT導入支援事業

補助率:導入費用の最大3/4(小規模事業所(定員30名未満)の場合:補助率最大4/5)
一般的な上限額:事業所あたり100万円~200万円程度

地域医療介護総合確保基金による支援

補助率:都道府県により1/2~3/4
導入費用の実例:20台程度の導入の場合:総額約200万円(補助金利用後の実質負担:約50万円~100万円程度)

ただし、以下の点に注意が必要です:

・各自治体により補助率・上限額が異なります
・年度ごとに予算額や申請要件が変更される可能性があります
・施設の規模や導入機器の種類により適用される補助率が変動します
・複数の補助金の併用が認められない場合があります

申請に際しては、導入計画書の作成や必要書類の準備が求められます。補助金を最大限に活用するためには、導入目的や期待される効果を明確に示し、施設の特性に合わせた戦略的な申請を行うことが重要です。具体的な補助金額や要件については、必ず各都道府県の介護保険事業担当窓口に確認することをお勧めします。

インカム導入に伴う介護報酬加算の利用

インカムの導入は、介護施設においていくつかの介護報酬加算を取得するための一助となる可能性もあります。たとえば、「夜間看護体制加算」や「看護体制加算」が該当するケースがあります。加算を取得するには、施設基準や人員配置などの要件を満たす必要がありますが、インカムを導入することで、職員間のスムーズな連携や業務効率の向上を図ることができ、結果として介護報酬加算の条件を満たす支援になると考えられます。

さらに、令和6年度の介護報酬改定では「生産性向上推進加算」が注目されています。この加算制度の中心には、ICT機器の導入が位置づけられており、介護記録ソフト、見守り機器、インカムといったICTツールを活用することで、業務の効率化や職員の負担軽減が期待されています。これらのICT機器を導入することで、介護施設は加算の取得に加え、施設全体の業務効率化と経営改善に寄与することができます。

>>介護報酬改定で注目される生産性向上推進加算

次世代型スマホインカムが拓く介護施設の未来

従来型のインカムに代わり、スマートフォンを活用した次世代型インカムシステムは、さらに進化した特徴を備えています。例えば、音声通話だけでなく、テキストメッセージやファイル共有など、多様な機能を提供します。

スマホインカムの導入により、スタッフは1台の端末で多くの業務をこなすことが可能になり、業務の効率化と質の向上が期待できます。先進的な施設では既に導入が進んでおり、スタッフの負担軽減や入居者サービスの向上などの効果が報告されています。

>>スマホインカムアプリの利便性と導入効果を詳しく解説

ボイット株式会社のAIインカムをご紹介

弊社ボイット株式会社が提供するAIインカムアプリ「フィールドボイスインカム」は、介護施設のニーズに特化した先進的なソリューションです。主な特徴は以下の通りです:

これらの機能により、介護現場のコミュニケーションを革新し、業務効率の大幅な向上を実現します。

実際に、介護現場では、首にかけるネックスピーカーと組み合わせることで、手を使わずに音声のやり取りが可能となり、スタッフ同士の連携が円滑化。ケアの質が向上し、迅速な対応が可能となった事例もございます。

>>詳しい介護施設の導入事例はこちら

インカムとナースコールの連携

ナースコールなど既存のシステムとの連携や統合に課題がある場合に関して、弊社のインカムアプリであればその連携に関しても相談の上連携することも可能です。

実際に弊社のアプリでは、ナースコール連携システム「SD Phone」(住友電設)との連携を現在進めており、ナースコールの通知を「フィールドボイスインカム」内でも受けられ、スタッフが協力して対応することができます。

インカムとナースコールを連携させることで、ナースコールへの迅速な対応が可能になり、入居者さんの満足度が向上し、また、スタッフの導線が最適化され、業務負担が軽減されます。

まとめ

介護施設へのインカム導入は、コミュニケーションの改善と業務効率の向上に大きく貢献します。導入にあたっては、メリットとデメリットを十分に検討し、補助金や加算制度を活用することで、より効果的な導入が可能となります。

特に、弊社のAIインカム「フィールドボイスインカム」のような先進的なソリューションを活用することで、介護現場の課題解決と質の高いサービス提供の両立が期待できます。インカムの導入を検討される際は、ぜひ本記事の内容を参考にしていただければ幸いです。

また、弊社では、スマートフォンの導入から一括してサポートを提供しておりますので、ぜひ導入をご検討いただければ幸いです。お客様の施設に最適なインカムソリューションをご提案し、導入からアフターフォローまで一貫してサポートいたします。介護現場の課題解決に向けて、ともに取り組んでまいりましょう。

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