公開日:  2025.08.26    更新日:  2025.08.26

介護現場のスマホ活用術 | 記録・連携・連絡を効率化するアプリを徹底解説!

「記録業務に時間がかかりすぎて、利用者様とのコミュニケーション時間が削られてしまう」「スタッフ間の情報共有がうまくいかず、申し送りでミスが発生している」「人手不足で業務負担が増える一方なのに、効率化の方法がわからない」そんな悩みを抱える介護現場の方は少なくありません。

 

特に人手不足が深刻化する介護業界では、限られたスタッフで質の高いサービスを提供するため、ICT活用による業務効率化への期待が高まっています。中でもスマートフォンは、手軽に導入でき、多機能で活用範囲が広いツールとして注目を集めています。

 

この記事では、介護現場でのスマートフォン活用方法から、おすすめアプリの紹介、導入時の注意点まで、現場の課題解決につながる情報を詳しくお届けします。記事を最後まで読むことで、スマホを使った業務効率化の具体的な方法がわかり、記録業務や情報共有の課題を解決する道筋が見えてきます。また、自施設に最適なツール選択の判断基準も理解でき、導入に向けた次のステップを踏み出せるでしょう。

介護現場でスマホ導入が進む背景とそのメリット

介護業界を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。高齢化の進展により介護需要は増加する一方で、働き手となる生産年齢人口は減少傾向にあります。厚生労働省の推計によると、2025年には約32万人の介護職員が不足するとされており、現場の負担軽減は急務の課題となっています。

業務の複雑化と効率化のニーズ

介護現場では、利用者様一人ひとりに合わせたケアプランの作成、詳細な記録業務、多職種との連携など、業務が年々複雑化しています。従来の紙ベースでの記録や電話での情報共有では、時間と手間がかかりすぎて本来の介護業務に支障をきたすケースも増えています。

特に訪問介護では、移動先での記録作成や事業所への連絡に多くの時間を要し、直行直帰の効率的な働き方を阻害する要因となっていました。

国や自治体のICT推進政策

こうした課題を受けて、国や自治体では介護現場のICT化を積極的に支援しています。

ICT導入支援事業では、タブレット端末やスマートフォンの購入費用、Wi-Fi環境の整備費用、運用経費などが補助対象となっており、導入コストの負担軽減が図られています。

>>ICT補助金について、詳しくはこちら

<スマホ導入の3つのメリット>

1.業務効率化の実現

記録業務の電子化により、手書きからデジタル入力への転換が可能になります。音声入力機能を活用すれば、移動中や手が離せない状況でも記録を残すことができ、後からまとめて清書する手間が省けます。

2.情報共有の質が高まる

リアルタイムでの情報共有により、申し送りの精度が向上します。写真や動画での状況共有も可能になり、文字だけでは伝わりにくい利用者様の状態を正確に伝えることができます。

3.ケアの質が高まる

過去の記録や写真を簡単に参照できるため、利用者様の状態変化をより詳細に把握できます。個別性の高いケアの提供が実現し、利用者満足度の向上につながります。

スマホでできる主な活用方法一覧(記録、写真、アプリ、連絡)

介護現場でのスマートフォン活用は多岐にわたります。具体的にどのような場面で活用できるかを詳しく見てみましょう。

介護記録アプリの活用

従来の課題

手書きでの記録作成は時間がかかり、複写式の用紙では修正が困難でした。また、記録の保管や検索にも手間がかかっていました。

スマホ活用後の改善

専用アプリを使用することで、その場での記録入力が可能になります。音声入力機能を活用すれば、両手がふさがっている状況でも記録を残せます。記録内容は自動的にクラウドに保存され、必要な時にすぐに検索・参照できます。

写真・動画による状況共有

活用例

・利用者様の状態の記録
・食事摂取量の視覚的な記録
・転倒リスクのある箇所の共有
・ケア方法の動画による申し送り

写真や動画は文字では伝えきれない情報を正確に共有できるため、多職種連携においても重要な役割を果たします。

利用者情報管理

スマホに介護記録アプリを導入することで、利用者様の基本情報、ケアプラン、過去の記録、服薬情報などを一元管理できます。外出先でも必要な情報にアクセスでき、緊急時の対応もスムーズに行えます。

グループチャット機能

チームでの情報共有において、グループチャット機能は大きな効果を発揮します。一度の投稿で関係スタッフ全員に情報を伝達でき、個別連絡の手間が大幅に削減されます。

スマホを使ったコミュニケーション手段(ビジネスチャットアプリ、インカムアプリなど)

介護現場では、リアルタイムでの情報共有と迅速な連携が利用者様の安全と満足度に直結します。スマートフォンを活用したコミュニケーション手段には、主にビジネスチャットアプリとインカムアプリがあります。

ビジネスチャットアプリの特徴

SlackやChatworkなどのビジネスチャットアプリは、テキストベースでの情報共有に適しています。

メリット

・複数人での同時情報共有
・ファイルや画像の添付が可能
・過去のやり取りを検索・参照できる
・既読確認機能で情報伝達状況を把握

適用場面

・日々の申し送り事項の共有
・ケアプラン変更の連絡
・写真付きでの状況報告
・会議の議事録共有

インカムアプリの特徴

VOYT CONNECTのようなインカムアプリは、音声による即座のコミュニケーションに特化しています。

メリット

・ハンズフリーでの通話が可能
・複数人での同時通話
・緊急時に迅速に連絡できる
・会話内容の自動記録機能
・ナースコールに連動して通知

適用場面

・緊急時の応援要請
・入浴介助中の連絡
・夜勤時の見守り連携
・多職種との即座の相談

 併用によるシナジー効果

多くの施設では、日常的な情報共有にビジネスチャットアプリを使用し、緊急時や即座の連絡が必要な場面でインカムアプリを活用するという使い分けを行っています。この併用により、状況に応じた最適なコミュニケーションが実現できます。

スマホ導入の注意点と対策(セキュリティ、教育)

スマートフォンの導入は多くのメリットをもたらしますが、適切な対策を講じなければリスクも伴います。特に個人情報を扱う介護現場では、セキュリティ対策と適切な運用が不可欠です。ここでは、具体的な注意点と対策方法を紹介します。

セキュリティリスク:情報漏えい、不正アクセス

<情報漏えい>スマートフォンの紛失や盗難により、利用者様の個人情報が外部に流出する可能性があります。

対策方法

・画面自動ロック機能の設定(30秒〜1分程度)
・生体認証(指紋認証・顔認証)の活用
・遠隔ロック・データ消去機能の導入
・業務専用端末と私用端末の明確な分離

<不正アクセス>適切なアクセス制御を行わないと、権限のないスタッフが機密情報にアクセスする可能性があります。

対策方法

・スタッフごとの権限設定
・アクセスログの記録・監視
・定期的なパスワード変更の義務化
・VPN接続による通信の暗号化

対策:私用スマホとの切り分け

<私用スマホとの切り分け>私用スマートフォンを業務に使用する場合、プライベートと業務の境界が曖昧になり、情報管理が困難になるため、私用スマホと業務用スマホを切り分けると、不正アクセスや情報漏洩のリスクを下げることができます。

解決策

・業務専用端末の支給
・アプリの業務利用範囲の明確化
・利用時間の制限設定
・業務終了時のデータ削除手順の策定

スタッフ教育のポイント

スタッフ教育のポイントとして、「セキュリティ意識の向上」「操作スキルの習得」「継続的なフォローアップ」の3つのポイントが挙げられます。それぞれのポイントに対し、どのようなことを行えば良いのか簡単に紹介します。

1.セキュリティ意識の向上

・定期的なセキュリティ研修の実施
・定期的な情報漏えい事例の共有
・適切な端末管理方法の指導
・緊急時の対応手順の周知

2.操作スキルの習得

・基本操作の段階的指導
・実際の業務場面を想定した練習
・ITに不慣れなスタッフへの個別サポート
・操作マニュアルの作成・配布

3.継続的なフォローアップ

・定期的な操作確認テスト
・新機能追加時の説明会
・困りごと相談窓口の設置
・活用事例の共有

介護業務に活用できるスマホにおすすめアプリ

介護現場の業務効率化を実現するためには、適切なアプリの選択が重要です。ここでは、特に効果的な2つのカテゴリのアプリをご紹介します。

<介護記録ソフト>

介護記録業務の効率化には、専用の記録ソフトの導入が効果的です。記録ソフトには、スマートフォンにアプリとしてインストールするタイプと、ブラウザ上で活用できるクラウドタイプがあります。

アプリタイプの特徴

・オフライン環境でも一部機能が使用可能
・端末の機能(カメラ、音声入力等)との連携が良い
・アプリ専用の最適化されたインターフェース

ブラウザタイプの特徴

・端末の種類を問わず利用可能
・アプリのインストールや更新作業が不要
・常に最新版の機能を利用できる

記録ソフト例:ほのぼのNEXT

国保連請求システムとして長年の実績を持つ「ほのぼの」シリーズのモバイル版です。訪問先での記録入力、利用者情報の確認、スケジュール管理などが一体化されており、訪問介護事業所での活用に特化した機能が充実しています。音声入力にも対応しており、移動中でも効率的に記録作業を行えます。

<インカムアプリ>

現場でのコミュニケーションには、インカムアプリの導入がおすすめです。従来のPHSやトランシーバーに比べて、多機能でコストパフォーマンスに優れています。

インカムアプリをおすすめする理由

1.導入コストの低さ:既存のスマートフォンを活用できるため、専用機器の購入が不要
2.操作の直感性:普段使い慣れたスマートフォンでの操作のため、習得が容易
3.職員全員にメリット:緊急時の連絡、情報共有、業務効率化など幅広い効果
4.機能の豊富さ:音声通話に加えて、録音、翻訳、テキスト化など付加機能が充実

おすすめインカムアプリ:ボイットコネクト

医療・介護現場に特化して開発されたインカムアプリです。音声認識による会話の自動テキスト化、AI翻訳機能、グループ通話機能など、介護現場のニーズに応える機能が搭載されています。また導入の際には機器の貸出も行っており、私用の機器を使うかどうかは選ぶことができます。特に「手が離せない」「声を出せない」状況での情報共有を実現する機能が充実しており、介護現場特有の課題に対応しています。

業務効率化のコツとツール選定の進め方

介護現場でのスマートフォン活用を成功させるためには、段階的なアプローチと適切なツール選定が重要です。ここでは、各ステップに分けて業務効率化のコツとツール選定の進め方を紹介します。

1. トライアル導入の実施

まずは課題や目的を整理した上で、影響範囲を限定した試験的な導入から始めることが重要です。ツールのトライアル期間や無料体験版などを活用し、主に「機能」「運用方法」「費用対効果」を確認していきます。一度に全社的に導入すると、失敗した時のリスクが大きいため、まずは少人数での導入を進めていきましょう。

・限定的な機能から開始
・3〜6ヶ月程度の検証期間の設定

2. 段階的な拡大

トライアル導入で効果が確認できた後、慎重に導入範囲を拡大していきます。必要に応じて無料プランから有料プランに切り替え、扱える機能を増やしたり、ツールを活用する担当者を増やすなど、段階的に社内にツールを浸透させていきます。せっかく良いツールを導入したとしても誰も使ってくれなければ意味がないため、ツールの使い方をレクチャーする時間を設けたり、マニュアルを作成するなど、社内浸透させていく取り組みが必要になります。

・効果が確認できた機能から順次拡大
・スタッフの習熟度に合わせたペース調整
・定期的な効果測定と改善

3. フィードバックの活用

現場スタッフの声を積極的に取り入れていきましょう。改善点や良かった点など現場スタッフから意見を収集し、改善していきます。

・現場スタッフからの意見収集
・使いにくい点の把握と改善
・成功事例の共有

ツール選定の3つの重要観点

1. 導入コスト

初期投資だけでなく、継続的にかかる費用も含めて評価する必要があります。また、中には○ヶ月以内の解約はできないツールもあるため、契約内容や費用対効果はしっかり確認しましょう。

・初期費用(端末代、ライセンス料等)
・月額利用料
・研修・サポート費用
・ROI(投資対効果)の算出

2. 機能性

現場の実際のニーズに適合し、将来的な拡張性も考慮したツール選択が重要です。ただ、機能が多ければ良いというものでもなく、使いこなすには一定の習熟が必要な上、多すぎる機能はUI/UXの低下を招いている可能性があります。最低限必要な機能を洗い出した上で、以下の点を考慮し必要な機能を有しているのか確認しましょう。

・現場のニーズとの適合性
・既存システムとの連携性
・将来的な機能拡張の可能性
・セキュリティ機能の充実度

3. 操作性

どんなに高機能でも、現場スタッフが使いこなせなければ意味がありません。デモを受けたり無料体験を通し、実際の製品に触れて操作性を確認しましょう。

・直感的なインターフェース
・マニュアルの分かりやすさ
・サポート体制の充実

小さく始められるインカムアプリをおすすめ

記録ソフトも業務効率化に大きな効果をもたらしますが、導入コストが高くなりがちで、全スタッフが等しくメリットを感じられるまでに時間がかかる場合があります。

一方、インカムアプリは以下の理由で導入の第一候補として推奨します:

1.即効性の高さ

導入直後から緊急時の連絡手段として効果を発揮し、スタッフが具体的なメリットを実感できます。

2.習得の容易さ

基本的な通話機能から始められるため、ITスキルに関係なくすべてのスタッフが活用できます。

3.汎用性の高さ

日勤・夜勤を問わず、あらゆる場面で活用でき、施設全体での統一したコミュニケーション環境を構築できます。

4.段階的機能追加

基本的な通話機能に慣れた後、録音機能、翻訳機能、テキスト共有機能など、段階的に活用範囲を広げることができます。

スマホにインカムアプリ「ボイットコネクト」を導入するメリット

「VOYT CONNECT(ボイットコネクト)」は、介護現場の特殊な環境とニーズに特化して開発されたインカムアプリです。従来のPHSやトランシーバーでは実現できなかった高度な機能を、スマートフォン1台で実現します。

ここでは、ボイットコネクトの特徴から、従来のPHSやトランシーバーの比較、そして介護現場での導入メリットまで紹介します。

ボイットコネクトの主要特徴

1.クラウド型システムによる安定性

インターネット環境があれば、建物の構造や距離に制限されることなく安定した通信が可能です。地下階や鉄筋コンクリートの建物内でも、電波状況に左右されずに確実な連絡が取れます。

2.双方向リアルタイム通話

複数人での同時通話が可能で、緊急時には関係スタッフ全員で情報を共有しながら対応できます。従来のPHSのような一対一の通話制限がありません。

3.シンプルで直感的な操作性

スマートフォンの基本操作ができれば誰でも使えるシンプルな設計です。緊急時でも迷わず操作できるよう、ボタン配置やメニュー構成が最適化されています。

4.AI翻訳機能

外国人スタッフとの連携において、リアルタイムでの音声翻訳機能が活躍します。日本語↔英語、中国語、ベトナム語など、主要言語に対応しており、言語の壁を越えたスムーズなコミュニケーションが実現できます。

5.通話録音・文字起こし機能

会話内容の自動録音と、AIによるテキスト変換機能により、「言った・言わない」のトラブルを防げます。申し送り内容や重要な指示も正確に記録され、後から確認できます。

従来システムとの比較優位性

PHSとの比較

通信範囲: PHSは建物内限定 → インカムアプリは全国どこでも
同時通話: PHSは一対一のみ → インカムアプリは複数人同時
記録機能: PHSは通話記録なし → インカムアプリは自動録音・テキスト化
コスト: PHSは高額な専用機器 → インカムアプリは既存スマホ活用

トランシーバーとの比較

音質: トランシーバーは雑音が多い → インカムアプリはクリアな音質
機能性: トランシーバーは通話のみ → インカムアプリは多機能
管理性: トランシーバーは機器管理が煩雑 → インカムアプリは一元管理
拡張性: トランシーバーは機能固定 → インカムアプリは継続的アップデート

介護現場での具体的な導入メリット

1.緊急時対応の迅速化

利用者様の急変時に、ボタン一つで複数のスタッフに同時連絡が可能です。応援要請から状況共有、医師への連絡まで、一連の対応がスムーズに行えます。

2.夜勤業務の安全性向上

少人数での夜勤時に、各フロアのスタッフと常時連絡を取り合えるため、一人で対応している不安感が軽減されます。緊急時のバックアップ体制も確実に機能します。

3.多職種連携の強化

看護師、介護士、リハビリスタッフ、栄養士など、多職種間での情報共有がリアルタイムで行えます。利用者様の状態変化に対する迅速な対応と、チーム一体となったケアが実現できます。

4.家族対応の向上

利用者様の状況を写真や動画で記録し、家族への報告時により具体的で分かりやすい説明ができます。安心感の向上と信頼関係の構築につながります。

5.業務効率化による働きやすさの向上

無駄な移動時間の削減、情報伝達の正確性向上により、本来の介護業務に集中できる環境が整います。スタッフの満足度向上と離職率の改善効果も期待できます。

現在600施設以上での導入実績があり、解約率1%未満という高い継続率を誇っています。介護現場での実用性と信頼性が実証されており、安心してご導入いただけます。

まとめ

介護現場でのスマートフォン活用は、人手不足と業務負担の増大という課題に対する有効な解決策として注目を集めています。記録業務の効率化、情報共有の精度向上、緊急時対応の迅速化など、多方面での効果が期待できます。

成功の鍵は、適切なツール選択と段階的な導入にあります。特にインカムアプリは導入コストが比較的低く、全スタッフが即座にメリットを実感できるためICT化の第一歩として最適だと言えるでしょう。

ボイットコネクトのような介護現場に特化したインカムアプリを活用することで、従来のPHSやトランシーバーでは実現できなかった高度なコミュニケーション環境を構築できます。AI機能や録音・テキスト化機能など、最新技術を活用した機能により、業務効率化と安全性向上の両立が実現します。

ICT化は決してゴールではなく、より良い介護サービスを提供するための手段です。利用者様の満足度向上とスタッフの働きやすさ改善の両立を目指し、現場に最適なツールを選択することで、持続可能な介護現場の実現につなげていきましょう。

スマートフォンを活用した業務改善にご興味のある施設の皆様は、まずは現状の課題整理から始めてみませんか。ボイット株式会社では、導入後の継続的なサポートも提供しています。

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