PHS・トランシーバーからの脱却。 チームワークと看護の質が向上

富家病院様

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概要

医療法人社団 富家会が運営する富家病院は、AI搭載インカム「VOYT CONNECT(ボイットコネクト)」を2025年12月に正式導入。骨伝導イヤホンマイクと合わせて約20名の看護・介護スタッフが日勤帯に活用し、広い病棟内でのリアルタイム連携を実現。コミュニケーションロスを削減し、業務効率化と看護の質の向上につなげています。

Before

PHSやトランシーバーでは、処置中に出られない・病室や浴室で電波が届かないなどの問題が常態化。病棟内のスタッフを探して歩き回り、大声で呼びかけるという対面中心のコミュニケーションになっていた。

After

AI搭載インカム「VOYT CONNECT」中心のコミュニケーションへ移行。リーダーはナースステーションから即時に指示を出せるようになり、コミュニケーションの質と速度が大幅に向上。骨伝導イヤホンの採用により、聴診器との両立も実現。

インカム導入前は「結局、直接行ったほうが手っ取り早い」

埼玉県と千葉県で病院を経営し、近隣に特別養護老人ホームや高齢者住宅などの介護施設を展開する富家グループ。「されたい医療、されたい看護、されたい介護」という理念のもと、重度慢性期医療を中心に地域の医療・介護を支えています。

「VOYT CONNECT」を最初に導入したのは、埼玉県ふじみの市にある富家病院の60床の障害者病棟(人工呼吸器専門病棟)でした。師長以下約20名のスタッフが勤務する、奥行きのある広い病棟です。

従来のPHSは処置中に応答ができず、病室や浴室では電波が届かない状況でした。トランシーバーも病棟の端では通じず、近隣との電波混信も発生。他社のインカムアプリも試しましたが、充電の問題や、イヤホンマイクが聴診器と干渉することが原因で定着しませんでした。結局、病棟を探し回り、大声で呼びかける対面中心のコミュニケーションに戻ってしまう状況だったそうです。

慢性期医療の現場では、スタッフの動線ロスはそのまま患者さんと向き合う時間の減少につながり、ここにも大きな課題がありました。

動線削減とコミュニケーションの質の向上

インタビュー時の様子(看護師長 稲野さん)

「VOYT CONNECT」の導入後、病棟のコミュニケーションは大きく変わりました。

リーダーはナースステーションから病室にいる看護師への即時指示が可能になりました。「以前はその人を探して歩き周ることが多かった。今はリーダーが座ったまま指示を出せる」と看護師長の稲野さん。アラーム発生時も近くのスタッフへ即座に対応を依頼でき、初動が格段に速くなりました。入浴介助やリハビリ対応時にも、多職種のスタッフがインカムで連携しながら患者様の対応を行っています。

コミュニケーションの質も大きく変わりました。トランシーバー使用時は音質が悪く聞き取りづらい場面が多かったのに対し、「VOYT CONNECT」では音声が非常にクリアになり、聞き返しが大幅に減少しました。「トランシーバーだとやっぱり聞き取りづらかった。そこはもう本当に解消しました」と稲野さんは強調します。

また、自動テキスト化機能により、インカムでのやり取りがすべて文字として記録に残るため、「言った・言わない」がなくなるのはもちろん、処置中や介助中に聞き取れなかった指示も、後からテキストで確認できるので情報の取りこぼしがなくなりました。テキストでサッと確認できる手軽さが、忙しい現場では特に重宝されています。

骨伝導イヤホンの身軽さと看護業務へのなじみやすさ

看護師田中さん 利用イメージ

看護現場ならではの評価ポイントが、骨伝導イヤホンとの相性の良さです。インカムをつけたまま聴診器が使え、また、周囲の音も聞こえるため患者様の声も聞き漏らしません。「軽くなったのと、そのまま聴診器が使えること。周りの環境音もちゃんと聞こえるので安心です」と稲野さんは評価しています。

PHSとトランシーバーの役割がスマートフォン1台に集約できたことで、スタッフの身体的な負担も軽減。患者様の抱え上げやおむつ交換など身体を使う場面が多い看護・介護の現場だからこそ、この身軽さは日々のケア業務に集中できる大きな変化です。

まとめ

「VOYT CONNECT」の導入により、スタッフ同士の連携がスムーズになり、動線の削減で生まれた時間を患者さんと向き合うケアの時間に充てられるようになりました。チームワーク力の向上が、看護の質の向上にもつながっています。

こうした現場での有用性が認められ、富家グループの別病院や介護施設への導入拡大も決定しており、今後は、病院救急車や患者送迎車への導入による移動中のリアルタイム情報共有、見守り・バイタルシステムとの連携による深夜帯の急変対応強化、そして看護記録の自動生成とAIによる電子カルテ連携など、さらなる活用が期待されています。